・AIエンジニアの需要、将来性は?
・AIエンジニアの年収はいくらなんだろう?
・AIエンジニアの仕事内容は?
・AIエンジニアになるにはどうすればいいの?必要なスキルは?
この記事を読んでいるあなたは、AIエンジニア(=機械学習エンジニア)に興味をもっている、なってみたいと思っているのではないでしょうか。
現在、AIエンジニアは不足しており、高収入・好待遇であることから、なりたいという人も増えてきていますが実際どうなのでしょうか。
AIエンジニアは、機械学習エンジニアとも呼ばれ、今非常にオススメできる職業です。
その理由をAIエンジニアの年収、需要、将来性から解説し、仕事内容からAI・機械学習エンジニアに向いている人、向いていない人について紹介します。
そして、AIエンジニアになるために必要な3つのスキルについても紹介します。
この記事を最後まで読んで頂ければ、AI・機械学習エンジニアに目指すべきなのか、目指すとするとどうすればよいかわかるでしょう。
目次
1. AIエンジニアの需要は高く、将来性があるといえる3つの理由
AIエンジニアが今オススメできる職業である理由の1つとして、需要が高く、将来性があることが挙げられます。その理由として、主に3つ挙げられます。
- AIエンジニア不足問題
- 企業へのAIの導入
- AI関連予算の増大
1-1. AIエンジニア不足問題
現在、日本はITエンジニア不足が問題となっていますが、実はAIエンジニアも不足しているのです。
IT需要の伸び | 2030年のIT人材の不足数 |
高位(約3~9%) | 78.7万人 |
中位(約2~5%) | 44.9万人 |
低位(1%) | 16.4万人 |
AI需要の伸び | 生産性の上昇率 | 2030年のAI人材の不足数 |
平均(約16.1%)
|
0.0% | 14.5万人 |
0.7% | 12.4万人 | |
低位(約10.3%)
|
0.0% | 2.4万人 |
0.7% | 1.2万人 |
経済産業省の2019年3月の「IT 人材需給に関する調査 」によると、ITエンジニアは2030年にはIT需要の伸びが低位(1%)でも16.4万人、高位(約3~9%)だと78.7万人もの人材が不足すると予想されています。
AIエンジニアも同様に2018年ですでに3.4万人が不足しています。さらにAI需要の伸びが平均で生産性の上昇率が0%の場合、2030年には14.5万人、0.7%でも12.4万人の人材が不足すると予想されています。AI需要の伸びが低位でも上昇率が0%の場合、2025年には2.4万人、0.7%でも1.2万人の人材が不足するとの予想です。
AIエンジニアが需要に対し、これだけの人数、供給が追いつかないということです。
そのため、売り手市場であり、高収入・好待遇であるのです。
1-2. 企業へのAI導入
IDC Japanの調査から、国内IT利活用企業のAI投資は増加傾向であることがわかっており、これから日本の企業へのAIの導入は増加することが考えられます。
しかし、「日経コンピュータ」の独自調査では、「AI人材が足りていないと答えた企業は90%にものぼる」ということもわかっています。
つまり、日本の企業はAIの導入をしたくてもできない状況なのです。
そのため、AIエンジニアはたくさんの企業から欲しがられる人材であるということです。
今後、企業内の立場も大きくなっていき、将来性があるといえるでしょう。
1-3. AI関連予算の増大
政府の平成31年度のAI関連予算は総額約1,200億円となっています。また、30年度予算の1.5倍となり、どんどん増大しています。それでもまだ、自民党幹部は「1桁足りていない」と話していることから、今後もAI関連予算が増大し続けることが予想されます。
また、内閣府が公表した「統合イノベーション戦略 2019」の「特に取組を強化すべき主要分野」の最初に「AI技術」が挙げられています。
政府が取組を強化すべき主要分野と決定し、多額の予算をつぎ込み出している分野の中心的な存在であるのはAIエンジニアなのです。将来性があるといえます。伸びている市場で働くことは、高収入・好待遇が予想され、非常に働きやすい環境でオススメといえるでしょう。
2. 気になるAIエンジニアの年収は500~1,200万円と高い
AI・機械学習専門求人紹介サービスを運営しているTeamAIの調査では、AIエンジニアの年収は以下のようになっています。
- 日系企業:500~1,200万円
- 海外企業:800~1,500万円
正直なところ、幅があることが現状のようです。理由として2つ挙げられます。
- 新しい職業であることから相場が決まっていないということ
- 個人のスキルや経験によって大きく左右されること
シリコンバレーなど海外の企業では圧倒的なAIエンジニアの不足からどんどん相場が高くなっている動きが強いのが現状です。
そのため、今後日本でも同じ動きが強まることが予想されます。これからもっとAIエンジニアの年収は高くなっていくことでしょう。
3. AIエンジニアの主な仕事内容3つ
- データの前処理
- AIモデルの構築
- AIモデルの検証
AIエンジニアはAI開発を専門に行うエンジニアです。
もっと詳しく言うとあるデータを入力するとどういった出力にするかを定めるAIモデルと呼ばれるものを構築して、データの規則性や法則、特徴を抽出します。そうすることで、新しいデータに対し、予測や分類を行うことができます。
しかし、AIモデルは1回で構築されるものではなく、何回も構築と検証を繰り返し、モデルの精度が良くなるまで、つまり新しいデータに対して予測や分類がうまくいくまで作業を続けます。
また、入力するデータの前処理もAIモデルの構築と同じくらい重要な作業です。データ前処理がしっかりできていないと思い通りの精度のAIモデルを構築できないことがあります。
AIエンジニアによって、扱うデータの種類が違ってきます。
データの種類は主に5つあります。基本的にはAIエンジニアは1つの種類について専門的な知識を持っています。
- 画像データ
- 動画データ
- テキストデータ
- 音声データ
- 時系列データ
具体的にそれらが使われているAIの例をそれぞれ3つを見ていきましょう。
- 人物を特定する顔認証
- 人か車か犬かなどを分類する物体認識
- 書類の写真をとって、テキストデータとして出力する文字認識
- 自動運転
- 犯罪者やテロリストを検知する防犯システム
- 作業を自動化させる産業用ロボット
- 対話を自動化するチャットボット
- 英語から日本語などの翻訳
- ニュース記事のトピック分類
- スマートスピーカー
- 動画の字幕生成
- 議事録の自動生成
- ある施設の来場者予測
- 株価予測
- 電力予測
4. AIエンジニアに向いている人3選
以下の3つに当てはまる人はAIエンジニアに向いているといえるでしょう。非常にオススメできます。
- 人々の暮らしや会社を大きく変えてみたいと思う人
- 試行錯誤して何かを作ることが好きな人
- 最新の情報・技術に興味がある人
抽象的であるので、以下に詳しく説明していきます。
4-1. 人々の暮らしや会社を大きく変えてみたいと思う人
スタンフォード大学のAIの権威アンドリュー・ウ教授は、「AI is the new electricity(AIは新しい電気)」と言っています。つまり、100年前の電気が主要な業界を変革したように、AIも同じ影響を与える可能性があると言っているのです。AIエンジニアはそんな可能性を大いに秘めた技術を扱えるのです。
実際にAIは今企業に導入され、業務の自動化・効率化、業績の向上をもたらしていますし、自動運転や自動レジなど人々の暮らしをも変えようとしています。
人々の暮らしや会社を大きく変えるような仕事をしてみたいという人にはAIエンジニアは向いている職業といえるでしょう。
4-2. 試行錯誤して何かを作ることが好きな人
AIエンジニアの仕事の大きな特徴として、試行錯誤がともなってくる点です。
AIエンジニアは、上司の指示通り、仕様書通りに製品をただ作ればいいというものではなく、AIモデルの精度が良くなるまで試行錯誤的にデータの前処理、AIモデルの構築、検証を何度も繰り返し行わなければなりません。
試行錯誤しながら何かいいものを作り出すこと、ある種の実験のようなものが好きな人にとってはAIエンジニアは向いている職業といえるでしょう。
4-3. 最新の情報・技術に興味がある
AI業界というのはどんどん新しい技術が発展する業界です。最新の情報、技術を常に追い続ける必要があります。追い続けないと、生産性が上がらない、時代遅れといったことになります。
最新の情報、技術に興味がある、追い続けることが楽しいという人にとっては、AIエンジニアは向いている職業といえるでしょう。
5. AIエンジニアになるには?身に付けるべきスキル3選
- Pythonを扱うことができるスキル
- ライブラリを活用できるスキル
- 数学の知識
AIエンジニアになるためにはまず上記の3つのスキルを身に付ける必要があります。その3つのスキルについて詳しく説明します。
5-1. Pythonを扱うことができるスキル
Pythonというプログラミング言語には、AIを実現する機械学習、深層学習といった技術のライブラリと呼ばれるプログラミングしていく際に便利な道具のようなものが既に準備されています。そのため、AI開発でPythonはよく使われます。プログラミング言語Pythonの習得は必須でしょう。
プログラミング言語の習得は難しいと思っている方も多いでしょう。しかし、Pythonは文法が簡潔で、可読性が高いことが特徴です。そのため、プログラミング言語の中でも習得しやすい部類です。
5-2. ライブラリを活用できるスキル
ライブラリを活用することで、プログラムを簡単かつ効率的に組むことが可能になります。
AI開発をしたいのであれば、ライブラリを活用できるスキルは身に付けるべきです。
AI開発によく使われるライブラリについて紹介します。
- 数値計算・行列計算を効率的に行うためのNumPy
- データを効率的に処理するPandas
- データを可視化するためのMatplotlib
- 画像処理、機械学習を効率的に行うためのOpenCV
- 機械学習ライブラリscikit-learn
- 機械学習・深層学習ライブラリTensorFlow
5-3. 数学の知識
AI開発を行っていく上で、数学的知識は欠かせません。主に確率統計、微積分、線形代数といった大学レベルの知識が必要となります。
ですが、まずはPythonを扱える、ライブライを活用できるようになりましょう。最初のうちから数学を学習すると挫折に繋がりやすいです。そのため、プログラミングしていく上で数学的知識が必要になったときに調べるといった形をとることが良いでしょう。
6. まとめ|AIエンジニアは高年収・好待遇な職業でオススメ
- AIエンジニア不足問題
- 企業へのAIの導入
- AI関連予算の増大
以上の理由からAIエンジニアの需要は高く、将来性があるといえます。そのため、現時点でAIエンジニアは高収入・好待遇でありますし、今後さらに収入・待遇は良くなっていくことでしょう。今、非常に熱い職業といえます。
- データの前処理
- AIモデルの構築
- AIモデルの検証
AIエンジニアは以上の3つの作業を試行錯誤的に繰り返し行い、AIモデルの精度向上を目指し、仕事を行っていきます。
- 人々の暮らしや会社を大きく変えてみたいと思う人
- 試行錯誤して何かを作ることが好きな人
- 最新の情報・技術に興味がある人
以上の3つに当てはまる人はAIエンジニアに向いているといえます。もし、当てはまったのであれば、今からAIエンジニアを目指してみるのも良いのではないでしょうか。
- Pythonを扱うことができるスキル
- ライブラリを活用できるスキル
- 数学の知識
AIエンジニアを目指すのであれば、まず以上3つのスキルを身に付けましょう。現在、これら3つのスキルを身に付ける環境は非常に整っています。正しい方法で勉強すれば、けっして難しいものではありません。
参考図書:機械学習エンジニアになりたい人のための本